開業届を提出するのは、なにも税務署のためだけではありません。事業を始める私たちにもメリットがあるのです。
1.青色申告を始めるため
青色申告を始めるためには、その前提として、「開業届」を提出する必要があります。実務上は、「開業届」と共に「青色申告承認申請書」を提出するのが一般的です。青色申告は節税のための第一歩。参考までに、青色申告の主なメリットをご紹介致します。
青色申告の主なメリット
・青色申告特別控除の適用がある(最高65万円又は10万円)…お金の出ていかない経費です。 ・青色事業専従者給与…配偶者などの親族に支給する給与を必要経費とすることができます。 ・貸倒引当金…売掛金や貸付金に対して一定割合の貸倒引当金を必要経費とすることができます。 ・純損失の繰越…事業から生じた赤字を3年間繰越すことができます。
2.屋号で銀行口座を開設するため
事業用の銀行口座を開設する場合、個人名ではなく、屋号(お店の名前など)を使用したい方も多いと思います。 そのような場合、必要書類は銀行によって異なりますが、少なくとも「開業届」の控えは提出を求められることがほとんどです。つまり、「開業届」を提出していないと、屋号での銀行口座は開設できないと言えます。(このことからも、「開業届」は提出するだけではなく、受付印が押された控えが必要です!)
3. 社会的信用のため
法人と異なり、個人事業には登記という制度がありません。だからこそ、「開業届」は対外的に事業を開始した証となります。融資や補助金・助成金の手続きはもちろんのこと、取引先やお客様に対しても、正規の手続きを行っていることの証明となります。